「ピラティスは呼吸が大切と聞いたけど、どうやるの?」
「他の呼吸法と何が違うの?」
「ピラティスの呼吸法には、どんな効果があるの?」
この記事では、初心者にも分かりやすく、ピラティスにおける呼吸法の特徴や効果、ピラティスで推奨される胸式呼吸とヨガの腹式呼吸など、他の呼吸法との違いを解説します。

この記事を通して正しい呼吸法を身につけ、ピラティスの効果を最大限に引き出せるようになりましょう。
- ピラティスの呼吸法の特徴や効果
- ピラティスの胸式呼吸と腹式呼吸の違い
- ピラティス呼吸法の正しいやり方やコツ
ピラティスの呼吸法の特徴や効果

まずは、ピラティスの呼吸法の特徴や効果について、以下の3つを紹介します。
- ピラティスの呼吸法の特徴は胸式呼吸
- ピラティスの呼吸法の効果
- 腹式呼吸など他の呼吸法との違い

ピラティスの呼吸法への理解を深め、トレーニングの質を向上させましょう。
ピラティスの呼吸法の特徴は胸式呼吸(ラテラル呼吸)
ピラティスでは「胸式呼吸(ラテラル呼吸)」が基本です。これは肋骨を横に広げるようにして空気を吸い込み、お腹を引き締めたまま吐くという呼吸法。ヨガなどで使われる腹式呼吸と違い、お腹を膨らませずに呼吸するのが特徴です。
この胸式呼吸を行うことで、インナーマッスルを意識しやすく、動作中でも正しい姿勢を維持しやすくなります。まずは、息を吸うときに肋骨が横に広がり、吐くときにお腹が薄くなる感覚をイメージすることから始めましょう。
ピラティスの呼吸法の効果
ピラティスの呼吸法は、運動の質を高める重要な要素。呼吸を意識的に行うことで体幹部の筋肉が自然と働き、安定した姿勢を保ちやすくなります。
また、呼吸と動作を意識的に結びつけることで、自律神経のバランスを整えられる点も効果の1つ。ピラティスの呼吸法を取り入れ質の高いトレーニングを行うことで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制されることが研究により明らかにされています。
さらに、正しい呼吸法を取り入れたピラティスの継続により、セロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質が活性化。心の安定や幸福感を得やすくなるという点も、魅力的な効果です。
「呼吸を安定させることが動作の安定につながる」という考え方は、科学的な根拠に基づいたピラティスの核となる思考と言えます。
参考論文:科学で見るピラティス:運動生理学から読み解く効果 | 日本統合医学協会
腹式呼吸など他の呼吸法との違い
ピラティスで使う胸式呼吸とヨガなどで使われる腹式呼吸は、自律神経への働きかけと目的が大きく異なります。胸式呼吸は交感神経を刺激し、筋肉に適度な緊張をもたらす呼吸法。インナーマッスルの活性化、そして動作の安定性につながります。
対して腹式呼吸は、副交感神経を優位に導き、深いリラクゼーションやストレスの緩和に適している呼吸法。つまり「運動によってどんな効果を得たいのか」によって、最適な呼吸法の選択をする必要があるのです。
ピラティスでは動作と呼吸を同調させることで、運動効果を最大限に引き出す設計になっています。初心者のうちは少し難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると「呼吸と動きがリンクする感覚」がつかめるでしょう。
正しいピラティス呼吸法のやり方

ピラティスの効果をしっかり得るためには、正しい呼吸法を身につけなければなりません。ここでは、正しいピラティスの呼応法のやり方を各ステップごとに解説します。
- 姿勢を整える
- リラックスをして集中する
- 鼻から息を吸う
- 肋骨を広げる
- 口から細く吐き出す

ピラティスの効果を向上させるためにも、ぜひ実践してみてください。
姿勢を整える
まずは姿勢を整えることから始めましょう。呼吸は体がまっすぐに整っていないとスムーズに行えません。
ピラティスでは、背筋を伸ばし、骨盤を立てた状態を基本姿勢とします。椅子に浅く腰かけてみると姿勢を意識しやすくなるためおすすめです。
まずは耳・肩・腰が一直線になるよう意識します。このとき、腰を反らせすぎたり、猫背になったりしないよう注意しましょう。
姿勢が整うと、肺がしっかり広がり、深い呼吸がしやすくなります。呼吸の土台となる姿勢が安定することで、動きにも安定感が生まれます。

リラックスをして集中する

正しい姿勢を整えたら、次は呼吸に意識を向ける準備として体の緊張を和らげます。肩や首に力が入っていると、呼吸がスムーズにできません。まずは、肩を軽く上下させたり、腕をぶらぶらと揺らしたりして、力みを取り除いてください。
体がリラックスしてくると、呼吸が自然に深くなり胸や背中の動きを感じ取りやすくなります。ここで大切なのは、動作ではなく「呼吸」に集中すること。
日常では無意識に行っている呼吸も、意識を向けることで徐々に安定していきます。呼吸が整えば、次の動作にもスムーズにつなげられます。
鼻から息を吸う

ピラティスでは、基本的に鼻から静かに息を吸います。口ではなく鼻を使うことで、呼吸のリズムが穏やかになり、心身ともにリラックスしやすくなります。
また、息を吸うときは、胸や肩に余計な力が入らないよう注意しましょう。お腹はふくらませず、引き締めた状態をキープするのがポイントです。
吸う息の長さに決まりはなく、自分にとって心地よい深さでOK。毎日少しずつでも鼻呼吸の練習を続けることで、ピラティスの動きにも安定感が生まれます。
肋骨を広げながら息を吸う

ピラティスで行う胸式呼吸では、息を吸うときに肋骨を左右に広げる意識が大切。ただ胸に空気を入れるだけでなく、背中側にもふんわりと広がっていく感覚を持つことで、より深く効率的に酸素を取り込めるようになります。
息を吸う際に肩が上がってしまうと、呼吸が浅くなり体に余計な力が入りやすくなるため要注意。呼吸の感覚がつかみにくい方は、両手を肋骨の横に添えて、吸うたびに手が少し押し広げられる感覚を確認してみましょう。
肋骨を意識して呼吸することで体幹が安定し、姿勢も整ってきます。まずは、日常のすき間時間に数回、深く呼吸する習慣を取り入れることから始めてみてください。
口から細く吐き出す

次は、口からゆっくりと細く長く息を吐いていきます。ストローから息を吹くような感覚で「スーッ」と一定のスピードで吐くことを意識しましょう。息を吐くと同時に、お腹をさらに引き締めていくイメージを持つことが大切です。
このとき、肩や首に余分な力が入っていないか確認してください。動作と連動しながら息を吐くことで、インナーマッスルが働き体幹が安定していきます。また「しっかり吐ききること」で次の吸気がスムーズになるため、呼吸全体が自然なリズムを生み出します。
NGな呼吸法
ピラティスで避けたいのは、口呼吸や肩が上下するような浅く速い呼吸です。呼吸が浅くなると体幹に力が入りにくくなり、エクササイズの効果も半減します。できるだけ胸ではなく、肋骨全体で空気を動かすイメージを持ちましょう。
また、動作と呼吸がちぐはぐになってしまうのも避けたいところ。動きの中で呼吸を止めてしまうと、筋肉がこわばってしまいます。スムーズに動き続けるためにも「動作と呼吸をセットで意識する」ことが大切です。
ピラティスで呼吸法をスムーズに行うための準備とコツ

ピラティスで呼吸法をスムーズに行うための準備とコツについて、以下の3つを紹介します。
- 肋骨・背中・肋骨筋をほぐす
- 横隔膜をマッサージする
- お腹に力を入れる

正しい呼吸法を身につけるためにも、体をスムーズに動かせる状態に整えておきましょう。
肋骨・背中・肋間筋をほぐす
呼吸で最も大きく動くのが肋骨まわりです。そのため、肋骨を支える背中や肋間筋(肋骨と肋骨の間にある筋肉)を柔らかくしておくことが、安定した深い呼吸につながります。
例えば、両腕を広げながら深呼吸をしたり、背中を丸めたり反らせたりするストレッチがおすすめ。ヨガマットの上でごろんと仰向けになり、両腕をバンザイするだけでも肋骨周辺が自然と開きやすくなります。筋肉の緊張をゆるめるだけで、呼吸のしやすさはグッと変わります。
横隔膜をマッサージする
呼吸に欠かせない横隔膜は、胸とお腹を分ける膜状の筋肉です。この横隔膜がしなやかに動くことで、肋骨もスムーズに広がり呼吸がしやすくなります。
おすすめは、おへその上あたりに手を当てて、指先で軽く押しながら円を描くようにマッサージする方法。腹式呼吸のように、お腹をふくらませるような動作を繰り返しながら行うと、より効果的です。
お腹に力を入れる
ピラティスの呼吸のもう一つのコツは、お腹に力を入れること。息を吐くときにお腹をへこませる意識を持つことで、インナーマッスルが働きやすくなります。
とはいえ、初めのうちはどの筋肉を使えばよいか迷うこともあるでしょう。
そこで有効なのが、仰向けになって両ひざを立て、お腹に手を当てながら息を吐く練習です。
「スーッ」と音を立てて吐きながら、おへそを背中の方へ引き寄せるイメージで動かしてみてください。この練習を繰り返すことで、自然とお腹に力を入れる感覚がつかめるようになります。
呼吸法をしっかり学べるおすすめのピラティススタジオ3選

ピラティスの呼吸法を独学で身につけるのは、意外と難しいもの。そこで、初心者でも安心して呼吸法を学べるピラティススタジオを3つご紹介します。
- ルルト
- ピラティスK
- DEP

正しい姿勢や動き、そして呼吸のタイミングを身につけるには、プロの指導が近道です。
ルルト
「ルルト」は、理学療法士が監修するピラティススタジオ。医学的な知見に基づいたメソッドで、1回のレッスンでも姿勢や呼吸の質が変わると評判です。

マンツーマン指導にこだわり、個々の呼吸のクセや姿勢をしっかり評価したうえで、最適なトレーニングを提案してくれます。胸式呼吸に必要な肋骨の広がりや、呼吸時の筋肉の使い方もわかりやすく指導してくれるため、初心者でも安心です。
またルルトは、ピラティスの呼吸法について分かりやすく解説した動画をYoutubeにアップしています。ぜひ参考にしてください。
ルルトの口コミ・レビュー
パーソナルレッスンで細かく指導していただき、とても満足しました。丁寧に教えてくれるので、フォームや呼吸法がしっかり身につきました。自分の体を意識することができました。ありがとうございます😊
Google Map
ずっと興味のあった初めてのピラティスでした。思ってたより呼吸や細かい動きについていくのがやっとでしたが,丁寧にご指導いただき楽しく体験出来ました。
Google Map

ピラティスK
「ピラティスK」は、女性専用スタジオとして人気を集めるスタジオ。インストラクター全員が専門資格を持ち、姿勢・呼吸・動作の一体感を重視したレッスンを提供しています。
レッスンでは、マシンを使いながら自然と胸式呼吸が身につくプログラムが組まれており、無理なく体の動きと呼吸をリンクさせることが可能。「吸って、吐いて」のタイミングも丁寧にリードしてくれるため、自分のペースでじっくり学べます。
おしゃれな空間と落ち着いた雰囲気で初心者でも通いやすく、楽しみながら継続できる環境が整っているスタジオです。
ピラティスKの公式サイトには、呼吸法に関するコラム記事が掲載されています。ぜひご覧ください。

ピラティスKの口コミ・レビュー
通い始めて3ヶ月くらいですが、呼吸法を学ぶことができるので日常生活でも深い呼吸が出来るようになりました。インストラクターの方みなさん優しくて施設もとても綺麗です。初心者でも始めやすいし、プログラムもたくさんあるので飽きずに続けられると思います!
Google Map
マシン使うのでいい具合に筋トレやってる感!!が感じられて楽しいです。丁寧に姿勢と呼吸に意識を向けながら1時間身体を使います。普段の生活でも気をつけるようになりました。ずっと続けられるエクササイズだと思います!
Google Map

DEP
「DEP」は、理学療法士や作業療法士など、国家資格を持つスタッフが在籍している本格派スタジオ。年間10万回以上のレッスン実績があり、医師からの信頼も厚いピラティス施設として知られています。
呼吸の評価も細かく行い「どこに力が入りすぎているか」「呼吸が浅くなる原因はどこか」などを丁寧に分析。体の構造に精通しているプロがマンツーマンで指導してくれるため、効率よく正しい呼吸を習得できます。
科学的根拠に基づいた安心感で、初めての方でも自信を持ってレッスンを受けられるスタジオです。
DEPは、体が変わる呼吸の使い方について解説している動画をYoutubeに掲載しています。ぜひ参考にしてください。
DEPの口コミ・レビュー
ピラティスを始めて半年になります。以前は呼吸が浅く、常に体に力が入っている感じがありましたが、今では呼吸がしやすくなってリラックスできる事が多くなりました。この呼吸が浅いこともピラティスを始める前は自分では気づきませんでした。
Google Map
ピラティスを初めて体験しました。
Google Map
普段の姿勢、クセが身体に色んな不調を与えてる事を知りました。改善していく為の呼吸法など丁寧に教えて頂きました。

ピラティス×呼吸法のよくある質問

ピラティスを始めると、呼吸法に関する疑問が自然と出てくるものです。ここでは、以下の質問にわかりやすくお答えします。
- ヨガとピラティスで呼吸法はどう違うの?
- 呼吸だけ練習する方法はある?
- 正しい呼吸ができているか確認する方法は?

レッスン中につまずきがちなポイントを、事前にチェックしておきましょう。
ヨガとピラティスで呼吸法はどう違うの?
ヨガでは「腹式呼吸」が中心であるのに対し、ピラティスでは「胸式呼吸(ラテラル呼吸)」が基本。腹式呼吸はお腹をふくらませて横隔膜を上下に動かすのに対し、ピラティスで使用する胸式呼吸では肋骨を左右に広げるようにして息を吸い込みます。
この違いにより、ヨガはリラックス効果を高めるのに適しており、ピラティスは動きながら体幹を安定させることに向いています。どちらも呼吸が大切ですが、目的に応じて使い分けることが大切です。
呼吸だけ練習する方法はある?
もちろん、呼吸だけを練習することも可能です。まずはマットや椅子に座り、背筋をスッと伸ばして姿勢を整えましょう。リラックスした状態で両手を肋骨の側面に添え、息を吸い込んだときに肋骨が左右に広がる感覚を感じてみてください。
次に、口をすぼめて、細く長く息を吐き出します。ポイントは、息を最後までしっかり吐ききること。お腹の奥が軽く引き締まるような感覚があればOKです。
このように呼吸だけに集中する時間をつくると、エクササイズ中の呼吸も自然と身についていきます。1日数分からで大丈夫なため、日々のスキマ時間に取り入れてみましょう。
正しい呼吸ができているか確認する方法は?
肋骨の広がりや、お腹に力が入っているかをチェックしましょう。吸うときに肩が大きく上下している場合は、胸式呼吸がうまくできていないサイン。代わりに、肋骨の横がじんわり広がる感覚があれば正しく呼吸できている証拠です。
姿勢が崩れていると呼吸も浅くなりがちなため、鏡で姿勢を確認しながら行うと良いでしょう。また、慣れないうちはプロに見てもらうのも有効な方法です。
ピラティスと呼吸法 まとめ

ピラティスにおける呼吸法は、エクササイズの質を左右する重要な要素です。胸式呼吸によって体幹が安定すると筋肉への酸素供給がスムーズになるため、より効率的に身体を整えられます。
初心者の方でも呼吸法をしっかり身につけることで「動きやすくなった」「疲れにくくなった」などの変化を実感できるはず。今回ご紹介したポイントやスタジオ情報を活用し、ぜひご自身の呼吸を見直してみてください。