ピラティスで自律神経は整う?期待できる効果・やり方とおすすめスタジオの紹介

ブリージングのやり方

「なんだか体がだるい」
「よく眠れない」
といった不調はありませんか?その悩みは自律神経の乱れが原因かもしれません。

この記事では、以下について詳しく解説します。

この記事で分かること
  • ピラティスが自律神経に影響を与えるメカニズムや体の変化
  • 自宅でできる自律神経に効果的なピラティスの動き
  • おすすめのピラティススタジオ選びのポイント
ピラティスナビ編集部

ピラティスは、体幹を鍛えるだけでなく、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。心と体の両面からのエクササイズで真の健康を目指しましょう!

目次

この記事の監修者

高橋 玲子

ピラティスナビ編集長 高橋 玲子

現役ピラティスインストラクター。健康のために始めたピラティスでインストラクター資格取得、2024年からピラティスナビ編集長に就任。スタジオ選びに役立つ情報を発信中。(運営者情報) 掲載依頼はお問い合わせよりご連絡ください。

ピラティスと自律神経の関係は?

ここでは、自律神経の基本的な働きを説明し、ピラティスがどのような影響を与えるのかを解説します。正しい姿勢が自律神経に与える良い影響についても紹介するので、参考にしてみてください。

自律神経の働きについて

自律神経とは、自分の意思とは関係なく体の働きをコントロールする神経で、交感神経と副交感神経の2つで構成されています。体を活動モードにする交感神経が優位になると、心臓がもっと働くように信号が送られ、心拍数が自然と増えます。

一方、体をリラックスさせる副交感神経が優位になると、心拍数が落ち着き消化器官の働きが活発になります。

ふたつの神経がバランス良く働き、保たれているのが私たちの健康です。ストレスや不規則な生活が続くと、さまざまな体の不調が現れます。寝つきが良くなかったり、体がだるかったりする場合は、自律神経の乱れが原因の一つとして考えられます。

参考文献:自律神経への影響|厚生労働省

ピラティスの呼吸が自律神経に与える影響

ピラティスは、自律神経を整える運動として非常に注目されています。特に呼吸法が、副交感神経を優位にするポイントです。深い胸式呼吸をはじめ、一つひとつの動きを呼吸と連動させる点がピラティスの特徴です。

ゆっくりと深く息を吸い込み吐き出すことで、心拍数が落ち着き、体が自然とリラックスモードへ切り替わります。副交感神経を優位にし、過剰に働きがちな交感神経とのバランスを整える効果が期待できます。

参考文献:ゆっくりとした呼吸の心理生理学的相関に関する系統的レビュー(英語)

ピラティスの姿勢改善が自律神経に与える影響

自律神経を整える上で姿勢は重要な役割を担っています。現代社会では、長時間の座りっぱなしやスマートフォンの使用による、猫背や巻き肩といった姿勢の歪みを抱える人が増えました。

猫背や巻き肩の姿勢は、呼吸を浅くしてしまい、自律神経の乱れにつながる可能性があります。正しい姿勢を保つと肺が十分に広がり、自然と深い呼吸ができるようになるでしょう。

ピラティスでは、インナーマッスル(体幹のさらに深い部分にある筋肉)を意識して鍛えると、体幹が安定し背骨が本来のS字カーブを保てるようになります。この姿勢の改善によって、深い呼吸を促します。

正しい姿勢は、自律神経のバランスを取り戻すための第一歩です。

参考文献:脊椎マニピュレーションによる自律神経系への影響の有効性(英語)

ピラティスで期待できる自律神経への効果

ピラティスによって期待できる変化は以下のとおりです。

ピラティスで期待できる自律神経への効果
  • ストレスを和らげる
  • 睡眠の質の向上
  • 便秘の改善

ピラティスを続けていくと、体と心に変化を実感する人が多く報告されています。

ストレスを和らげる

ピラティスは、深い呼吸と集中による心身のリラックス効果で、ストレスの緩和が期待できます。胸式呼吸を中心とした深い呼吸を意識的に行いながら、体の動きへの集中が、マインドフルネスの状態です。

マインドフルネスとは、「意図的に、今この瞬間に、評価や判断をせずに注意を向けること」を指す心の状態、またその状態に至るためのトレーニングのことです。

深い呼吸は、リラックスを促す副交感神経を優位に導き、心身の緊張を和らげる効果が期待できます。心拍数が落ち着くと体の緊張も和らぎ、心の疲れの軽減に役立ちます。

参考文献:マインドフルネスとは?|厚生労働省

睡眠の質を向上させる

質の良い睡眠には、自律神経のバランスが整っている状態が欠かせません。日中にストレスや緊張が続くと交感神経が優位な状態となり、夜になっても心と体が興奮状態から抜け出せず、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりします。

深い呼吸とゆったりとした動きで構成されるピラティスは、副交感神経の働きを促し、心身をリラックスへと導いてくれます。日中や夕方の時間帯に取り入れると、夜に自然と眠気が訪れやすくなります。

ただし、運動のタイミングやトレーニング内容によっては、かえって神経が高ぶり眠りを妨げることもあります。特に激しい運動は寝る直前には避ける必要があります。

参考文献:健康づくりのための睡眠ガイド 2023 |厚生労働省

便秘の改善

ピラティスでは、ゆっくりした胸式呼吸が副交感神経を働かせ、腸の動きを活性化させます。また、呼吸に合わせて腹筋と骨盤底筋を締めたり緩めたりするため、お腹がポンプのように動き、便が前へ進みやすくなります。

背骨を丸めたり伸ばしたりする動作は、腸をやさしく揺らし血流も改善します。ほどよい集中でストレスが下がり、脳と腸の連携も整うのです。

アメリカで行なわれたピラティスの臨床試験では、ピラティスの運動により排便回数と腹部の不快感が有意に改善されたと報告されています。この仕組み自体はウォーキングなどの運動でも同様ですが、呼吸と姿勢を同時に意識できる点で、ピラティスは腸への刺激が効率的と考えられます。

参考文献:女性の過敏性腸症候群の症状に対するピラティスエクササイズの効果(英語)

自律神経の乱れに役立つピラティスのメソッド

ここでは、自宅で手軽に試せる簡単なピラティスエクササイズを紹介します。安全で効果的にピラティスを行うための注意点についても解説します。

ブリージング

ブリージング という呼吸の練習から始めてみませんか?これはピラティスの基本動作となります。以下に詳しく解説します。

ブリージングのやり方
ブリージングのやり方
  1. 仰向けに寝て、膝を立て、足の裏を床につける
  2. 手のひらを下にして、体をリラックスさせる
  3. 鼻からゆっくり息を吸い込み、肋骨が横に広がるのを感じながら、お腹が膨らむのを意識する
  4. 口から細く長く息を吐き出すと、お腹がへこみ、肋骨が閉じることを意識する
  5. この呼吸を5分ほど繰り返す

呼吸に意識が集中し、心も落ち着いていくのを感じてみてください。イライラの軽減にもおすすめで、ピラティスナビのスタジオでもよく指導しています。

ペルビックカール

ペルビックカール
ペルビックカール
  1. 仰向けに寝て膝を立て、足の裏を床につけて、腕は体の横に置く
  2. 息を吐きながら、お腹をへこませ、ゆっくりとお尻を持ち上げる
  3. 背骨を下からひとつずつ床から離すイメージで、肩から膝までが一直線になる高さまで上げる
  4. 息を吸いながら、その位置をキープする
  5. 息を吐きながら、背骨を上からひとつずつ床に戻すように、ゆっくりと下ろす
  6. これを5〜10回繰り返す

チェストリフト

チェストリフトのやり方
チェストリフトのやり方
  1. 仰向けに寝て、膝を立て、足の裏を床につけます。両手は組まずに、頭の後ろに軽く添える
  2. 鼻から息を吸い、吐きながらお腹をへこませる意識を持つ
  3. 吐く息に合わせて、頭・肩・肩甲骨の順にゆっくり床から持ち上げる
  4. このとき、おへそを覗き込むようにする
  5. 吸いながらその位置で数秒キープして吐きながら、背骨をひとつずつ丁寧に戻すイメージでゆっくり下ろす
  6. 首だけで起き上がろうとせず、お腹の力を使っての動作になるよう意識し、5〜8回を目安に、慣れてきたら10回程度を1セットとする

このピラティスのメソッドは、今からでも簡単に始められます。ブリージングで心を落ち着け、ペルビックカールやチェストリフトで体幹を鍛えましょう。

ピラティスで自律神経を整えるときの注意点

ピラティスで自律神経を整える場合、安全かつ効果的に行う注意点は以下のとおりです。

  • 無理をしない
  • 呼吸を意識する
  • とにかくゆっくり動く
  • 継続する

ピラティス初心者は、自分の体力や体の柔軟性に合わせて、できる範囲で動きましょう。痛みを感じたらすぐに中止してください。無理な姿勢で続けると、体を痛めてしまうおそれがあります。

また、呼吸と動きの連動がとても重要です。正しい呼吸法でなければ、変化が半減してしまう可能性があります。最初は呼吸に意識を集中することから始めましょう。

実際にピラティスを指導していると、思いのほか速く動いてしまう方が多く見受けられます。自律神経を整える運動はとにかく「ゆっくり!」です。吐く息に合わせて、ゆっくりゆっくりと運動をしてください。自律神経のバランスが整い、心身の変化を実感できます。

ピラティスによる体の変化は、すぐに現れるものではありません。週に1〜2回でも良いので継続して行い、徐々に体と心の変化を感じてみてください。

ピラティスと自律神経でよくある質問

ここでは、ピラティスと自律神経に関するよくある疑問にお答えします。

ピラティスと自律神経でよくある質問
  • 自律神経が本当に整うのか
  • ヨガとの比較
  • 心の状態を穏やかに保つ変化
  • ピラティスに向いていない人の特徴

以下で詳しく解説します。

ピラティスで自律神経は本当に整う?

ピラティスで自律神経は本当に整います。深い胸式呼吸は、副交感神経を刺激し、リラックス効果を高めるのです。体幹を鍛え、姿勢を改善すると、呼吸が深くなって全身の血行が促進されます。

これらの体の変化が、自律神経のバランスを正常な状態へと導いてくれるのです。

自律神経を整えるにはヨガとピラティスのどちらがいい?

ヨガとピラティスは、どちらも自律神経を整える役割が期待できますが、アプローチが異なります。

ヨガ・瞑想や精神統一の要素が強く、呼吸法やポーズを通じて心身の調和を目指す・柔軟性の向上やリラックス効果が高いとされる。
ピラティス・体幹の強化と姿勢の改善に重点を置き、正しい体の使い方を学ぶ・体の歪みを整え、より機能的な体を目指す人に最適

目的や体の状態によってどちらを選ぶか考慮しましょう。

ピラティスで心の状態を穏やかに保てる?

ピラティスは心の状態を穏やかに保つ働きがあると言われています。体を動かすだけでなく、呼吸と動きに意識を集中し、心の雑念を取り払い精神を落ち着かせる役割があります。

ストレスや不安を感じやすい人にとって、ピラティスは心身を落ち着かせるために有効な運動習慣です。呼吸法と適度な筋トレにより、心身をリラックスさせ精神的な安定が期待できます。

ピラティスに向いてない人は?

ピラティスは幅広い層の人に役立ちますが、以下のような場合は注意が必要です。

急性の痛みがある人・関節炎やヘルニアなどで強い痛みがある
重度の疾患を持つ人・心臓病や高血圧などの持病がある
妊娠中の人・体の変化に合わせて専門家のアドバイスを受けるようにする・妊娠中でも正しい指導のもとで行えば安全

上記に該当する人だけでなく、体調などに不安がある場合は、必ず専門家や医療機関に相談しましょう。

ピラティススタジオを選ぶときのポイント

ここでは、以下について解説します。

  • 自律神経の悩みを相談できるインストラクターの見つけ方
  • 体験レッスンの活用方法について

ピラティススタジオを選ぶ際に役立つ具体的なポイントも具体的に説明します。

自律神経の悩みを相談できるインストラクターを見つけるには?

自律神経の乱れはデリケートな悩みです。悩みを相談でき、解決につなげるにはインストラクター選びが大切です。以下に要点をまとめています。

専門知識の有無・自律神経や体の構造に関する専門知識を持つインストラクターを選ぶ・資格や経験を確認する
丁寧なカウンセリング・初回カウンセリングで、体の状態や悩みをしっかり聞いてくれるインストラクターを選ぶ・一方的にプログラムを進めるのではなく、話に耳を傾けてくれるかが大切
相性・インストラクターとの相性で選ぶ・実際に話してみて、話しやすく信頼できると感じる人を選ぶ

安心して相談できるインストラクターを見つけることが、ピラティスを継続するための近道となるでしょう。

体験レッスンを上手に活用しよう

レッスンの雰囲気を確認・レッスンに参加し、スタジオの雰囲気やレッスンの進め方が自分に合っているか
インストラクターの指導・インストラクターの指導が丁寧か、わかりやすいかをチェック・体の状態に合わせて、適切なアドバイスをしてくれるかどうか
設備と清潔さ・スタジオの設備が充実しているか、清潔に保たれているか
料金体系・料金プランや継続のしやすさの確認

複数のスタジオの体験レッスンを受けることで比較検討し、あなたに最適な場所を見つけましょう。気になるスタジオがあれば、まずは体験レッスンの活用がおすすめです。

自律神経の悩み解消におすすめのピラティススタジオ3選

自律神経の乱れに悩む人におすすめの、ピラティススタジオを3つを厳選してご紹介します。専門性の高い指導や安心のサポート体制で、初心者から上級者までサポートを受けられます。

Nピラティス

Nピラティス
Nピラティス

Nピラティスは、マンツーマンのマシンピラティス専門スタジオです。個々の悩みや身体の状態に合わせたオーダーメイドのパーソナルレッスンが受けられます。

そしてなにより、理学療法士が解剖学と運動学の知見を活かし、独自のピラティスメソッドと姿勢分析で体の悩みを改善してくれる点が特徴です。

Nピラティス公式サイト

ゼンプレイス

Zen Placeピラティス
引用:zen place pilates

ゼンプレイスは、全国に150スタジオを展開する本格派ピラティス・ヨガ専門スタジオです。科学的根拠に基づいたレッスンを提供しており、マットとマシンの両方のピラティスに対応しています。初心者から上級者まで幅広いプログラムを提供しています。

オンラインレッスンは朝6時から夜10時までライブ中継しているため、忙しい人でも参加しやすいです。レッスン中はインストラクターが体の状態を確認してくれます。

DEP

ピラティススタジオDEPは、全インストラクターが理学療法士または作業療法士の国家資格とPHIピラティス資格を保有しています。

医学的知識に基づいたオーダーメイドのレッスンを提供し、姿勢改善や自律神経の調整、慢性的な不調の根本改善を目指す人におすすめです。

初回体験レッスンには全額返金保証があります。オンラインレッスンや24時間対応のサポート体制も整っていて安心です。

ピラティススタジオを選ぶ際は、実際にレッスンに参加し、雰囲気や指導の内容、設備などを確認しましょう。体験レッスンに参加する際は、インストラクターとの相性や、自身の体の悩みを相談できるかどうかも合わせてチェックすることをおすすめします。

また、料金プランや継続のしやすさも大切なポイントです。それぞれにあったスタジオ選びに役立ててください。

ピラティスと自律神経 まとめ

ピラティスは、深い呼吸と体幹を意識したエクササイズで、自律神経のバランスを整え、心と体に穏やかな変化をもたらします。

継続することで、姿勢の改善、ストレスの緩和、睡眠の質の向上、そして冷えや便秘の解消といった体の変化を実感できます。自宅でできる簡単なエクササイズから始めても良いですし、より専門的な指導が必要なら、体験レッスンを活用して、自分にぴったりのスタジオを見つけましょう。

参考文献

2.e-ヘルスネット|ストレッチングの効果|早稲田大学スポーツ科学学術院教授 宮地元彦

ピラティスナビでは正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。
・ピラティスナビはピラティスナビ編集部が運営しております。ピラティスナビで記載している価格は全て税込み表記です。
・ピラティスナビでは編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。
・ピラティスナビではパートナーの製品への参照が含まれている場合があります。詳細は広告掲載基準をご覧ください。
・当記事の内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。
目次